「美」の構造‐1243‐
2016年2月2日
「美」の構造‐1243‐
「行く・逃げる・去る」の通り、1月はあっと言う間に行きました。
今日から2月。逃げられないよう、しっかり捕まえておかなければ。
先月のことですが、豊中へ行っていました。
千里中央駅まで移動し、電車に乗ったのですが、駅向こうに見える景色に驚きました。
阪急・千里中央店の外観がとてもダイナミック。
力の流れを、そのままデザインに持ちこんでいるのだと想像しますが、最外のフレームは耐震補強の為か。
いずれにしてもかなりの迫力。「連続の美」と言えそうです。
先週、この阪急で働いていたという人と話す機会がありました。
「凄い百貨店ですね」と熱っぽく語ると、「本店の次に出店したはずですが、内部のほうは……」といった感じ。
70年代に完成したようですが、設計者を調べてみましたが分からずじまい。もしかすると天井高が低いのかもしれません。今度は中ものぞいてみます。
「美」はそれぞれが感じるものなので、様々な答えがあります。
しかし、カテゴリー分けすることは可能でしょうか。
朝靄の立つ湖。
凪の海。
水平線に沈む夕日。
人も自然ですから、自然の美しさは無条件に受け入れられます。
強さに裏付けされた肉体なども、美の一つでしょうか。
美というよりは、本能に近いのかもしれません。異性に求める美もこの一種か。
「モナ・リザ」の美しさは、ダ・ヴィンチという人が表現したものですが、描いている対象は人。これも自然界の美が基本にあります。
一方、ミロやモンドリアン等の抽象画、建築等は、「人が作った美」。自ずと、好き嫌いが分かれます。
「空間なんて好みじゃない」と時々言われます。
しかし全体のストーリーを整理し、その人らしい秩序を成立させるのが、私の仕事なのだと考えています。
着物の上に、有名ブランドのジャケットを羽織り、革のブーツを履いている紳士が居たとします。それぞれの物は高級品。
しかし、それを素敵だと言う人は居ません。服なら誰もが分かるのですが、空間は、このあたりが分かり難いのです。
川の水がヘドロのように真っ黒で、無臭・無害だとします。機能的に問題が無くとも、気分が良い人はいません。
「機能を満足する」の先にある「美しい」。それは、人にとって大切なものだという信念があります。
建築を例にしましたが、物創りをする者にとって「美しい」を追求するのは、義務と言って良いと思います。
次の機会には、なぜ私が「美しい」を求めるかを書いてみます。
◇一級建築士事務所 アトリエ m◇
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建築家 守谷昌紀のゲツモク日記
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アトリエmの現場日記
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株式会社一級建築士事務所アトリエm
夢は必ず実現する、してみせる。
一級建築士 守谷 昌紀 (モリタニ マサキ) 1970年 大阪市平野区生れ 1989年 私立高槻高校卒業 1994年 近畿大学理工学部建築学科卒業 1996年 設計事務所勤務後 アトリエmを設立 2015年 株式会...