「中庭のある無垢な珪藻土の家」‐9‐一点を射抜く

2017年3月28日

「中庭のある無垢な珪藻土の家」‐9‐一点を射抜く
↑公式ブログへリンクしています。


 タイトルにあげながら、ここまであまり触れてこなかったのが中庭です。



 外構工事が始まり、ようやく形状が見えてきました。



 LDKへの日差しは遮らず、外部からの目線は切りたい。

 中庭に要求される機能は、多くの場合変わりません。

 外構工事は別というケースもありますが、間違いなく一体のもの。

 「服はコーディネートしますが、帽子と靴は他の人に見てもらってください」とはなりません。



 外部に木製建具をつかわせてもらったのは、1999年の「紫竹の家」以来です。

 庇、シャッターの雨対策。防火設備から外れる位置にもってくるという法規対策。そしてクライアントの熱意が、実現に導いてくれました。



 やはり、木は職人が手加工できるため、こまかなところまで、こだわることができます。



 LDKの床養生もとれ、ようやくあらわれた節無しの檜。

 最後の最後まで、悩んでもらった箇所です。

 もちろん安価ということはなく、最終的にはクライアントが直接webで購入。支給してもらいました。



 階段の1段目にある引出し収納も、総檜づくりで家具職人の力作です。



 キッチン前のカウンターのニッチも、珪藻土が塗りまわされています。



 キッチン横にある和室に日がさしこむと、珪藻土のコテあとがより鮮明になります。

 よい素材や、職人の技量が問われる工事は、やはり金額がはります。

 しかし、クライントはただ安ければよいと思っている訳ではありません。

 素材、大きさ、形状と無限の選択肢があるなかで、最も総合点の高い一点を射抜かなければなりません。

 それが建築設計という仕事です。

 この難しさが面白さに変わったのは、自分の決断にクライアントが心から喜んでくれたときから。

 はじめに勇気、そして決断ありきなのです。

文責:守谷 昌紀



◇一級建築士事務所 アトリエ m◇

建築家 守谷昌紀のゲツモク日記
アトリエmの現場日記

株式会社一級建築士事務所アトリエm

プロフィール

株式会社一級建築士事務所アトリエm

夢は必ず実現する、してみせる。

一級建築士  守谷 昌紀 (モリタニ マサキ) 1970年 大阪市平野区生れ 1989年 私立高槻高校卒業 1994年 近畿大学理工学部建築学科卒業 1996年 設計事務所勤務後 アトリエmを設立 2015年 株式会...

株式会社一級建築士事務所アトリエmの事例

  • 加美の家

    加美の家

  • イタウバハウス

    イタウバハウス

  • サロンのある家

    サロンのある家

  • あちこちでお茶できる家

    あちこちでお茶できる家

  • 住之江の元長屋改修 『大改造!!劇的ビフォーアフター』放映

    住之江の元長屋改修 『大改造!!劇的ビフォーアフター』放映

  • kayashima photo studio Ohana

    kayashima photo studio Ohana

  • つるみ歯科クリニック

    つるみ歯科クリニック

  • ウンテイのある家

    ウンテイのある家

  • 高窓と中庭の家

    高窓と中庭の家