「THE LONGING HOUSE 」‐4‐PC板素敵
2020年11月11日
「THE LONGING HOUSE 」‐4‐PC板素敵
建物を建てるためには最低4m幅の道路に、2m以上接している必要と法が定めています。
これを接道義務と言います。
「The Longing House」の接道は東側。
Tの足先が、僅かに接しているという感じです。
北を見ると、この敷地が住宅地に囲まれていることが良く分かります。
Tの頭側。西側隣地が一段高くなっています。
ここにどういった対処をするかは、計画開始時からの課題でした。
どういった提案をし、どういった苦労があったか。
そして柱を建てる所ことになった経緯は、前々回に詳しく書きました。
外構計画の目玉。
ようやく柱の間にPC板が設置されました。
PC=プレキャスト・コンクリート
読んで字のごとく、工場で生産された鉄筋コンクリートです。
工場で作るため条件をコントロールしやすく、安定した品質が確保できるとされています。
言わば、工場生まれの打ち放しコンクリート板。
コンクリート素地の肌合いは滑らかで、何とも素敵なのです。
今回のPC板は1枚500kg強。下部には少し隙間を開けています。
理由はまた書くのですが、現在は仮置きの状態で24cmあります。
最終的には、これをもう少し狭めるのです。
監督から「大きな木槌で、だるま落としみたいに抜きますか!」という冗談も出ました。
実際には3枚乗っているので1.5tonあるのでそれは無理。
じわじわと下げて行き、どこかで止めなければなりません。
その工法を聞いて、なるほどと思いました。
「初めての事ばかりなので、さぐりさぐりやってます」と言っていたのですが、そのストーリーがこの塀を、全く違う次元へと導いてくれるのです。
これは前回の帰り道。阪神高速池田線から見える、大阪湾に沈む夕日です。
昨日から環状線南行き10日間通行止めで、下道で会社まで戻りました。
普段よりも混んでいたのだと思いますが、普段なら30分の道程が2時間弱掛かりました。
当たり前にあるものが無くなった時、初めてその価値が分かるものです。
心しておかなければと思ったのです。
文責:守谷 昌紀
■■■9月11日発売『リフォームデザイン2020』に「回遊できる家」掲載
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◇一級建築士事務所 アトリエ m◇
建築家 守谷昌紀のゲツモク日記
アトリエmの現場日記
株式会社一級建築士事務所アトリエm
夢は必ず実現する、してみせる。
一級建築士 守谷 昌紀 (モリタニ マサキ) 1970年 大阪市平野区生れ 1989年 私立高槻高校卒業 1994年 近畿大学理工学部建築学科卒業 1996年 設計事務所勤務後 アトリエmを設立 2015年 株式会...