建築家ル・コルビュジエの休憩小屋を原寸で忠実に再現

埼玉県行田市にある、ものつくり大学では、世界的建築家のル・コルビュジエが南仏カップ・マルタンに建てた休憩小屋<キャバノン>を、学生たちが実際に現地で実測調査し、大学キャンパス内に原寸で忠実に再現した。

ル・コルビジエの休憩小屋

家結び

世界的建築家のル・コルビュジエは、1952年、南仏カップ・マルタンに休憩小屋<キャバノン>を建設。それから60年後となる今年、同大のキャンパス内に学生たちが原寸どおり忠実に「休憩小屋」を作り上げた。

プロジェクトに参加した学生たちは、実際に現地フランスで実測調査を実施。中心メンバーは学生16名。調査は建物だけでなく、内部の家具まで詳細に行なわれた。
帰国後、大学で図面に落とし込み、建築許可申請を経て着工した。基礎工事、建物の建築、家具などインテリアの制作は、主に同大建設学科の学生が担当。製造学科の学生は窓枠やドアノブなど金属部分を主に担当し、建具を取り付けるネジまで本物そっくりに作った。

忠実に再現した休憩小屋

こうして、同大キャンパスに実物そっくりな「休憩小屋」が完成した。本格的な実験実習に力を入れている同大の特長が伺える。この精巧につくられた「休憩小屋」はもちろんだが、詳細な実測調査によって作り上げた設計図も、貴重な資料となっている。

このプロジェクトは、学長プロジェクトの一環で「世界を変えたモノに学ぶ/原寸プロジェクト」と題し、建設・製造両学科協働で、世界的に有名な名作住宅や工業製品などを原寸で忠実に再現することを目的としている。
その手始めに、ル・コルビュジエの終の棲家<キャバノン>を、両学科が2011年度卒業制作として共同で作り上げた。建物だけでなく、家具や照明金物にもこだわったこの作品は、2011年度学長特別賞を受賞した。
2012年3月15日には完成発表会が行われ、地元埼玉建築士会の方々をはじめ、千葉・東京からも50名を越える多くの見学者が訪れた。

なお、制作過程はYouTubeで公開している。
第1弾

第2弾

ものつくり大学 
埼玉県行田市前谷333番地

プロフィール

東恩納 尚縁

将来の夢は孫と一緒に暮らすこと。

孫ができた為、将来は娘夫婦と二世帯住宅の夢を持っています。
「住まい」について考えたコラムを寄稿しています。

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