女性技術者・技能者の5年で20万人倍増計画始動!国交省と日本建設業連合会など建設業5団体

技術者技能者女性 5年で倍増20万人/国交省・建設業5団体

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【働きやすい環境整備/総合ポータルサイトも創設】
 女性技術者・技能者の倍増計画始動--。国土交通省と日本建設業連合会など建設業5団体は22日、人材育成・確保策の柱の一つとして、官民挙げたアクションプランとなる『もっと女性が活躍できる建設業行動計画』を策定した。5年以内に、女性技術者・技能者を現状の10万人から20万人に増やす数値目標を設定。「入職促進」「就労継続」「さらなる活躍とスキルアップ」「情報発信」の4つの大方針を打ち出し、具体施策を列挙した。女性が働きやすい環境を整えることは、当然ともに働く男性の快適性向上などにもつながる。ひいては、性別や世代を問わず魅力的な産業へと生まれ変わり、旧来の建設業界のイメージ刷新も期待できる。産業間の人材確保競争が本格化していく中、他産業に先駆けた取り組みと言えそうだ。   =関連2面
 行動計画は、国交省と日建連、全国建設業協会、全国中小建設業協会、建設産業専門団体連合会、全国建設産業団体連合会が共同で策定した。
 同日開かれた5団体との会談で、太田昭宏国交相は「女性が活躍することで、だれもが働きやすい環境になる。そのことで建設業界が一層活性化し、女性のさらなる活躍につながっていく。この好循環をつくり出すことが重要だ」との認識を示した。
 直近の女性の技術者は1万人、技能者は9万人。これを2019年までに倍増させ、それぞれ2万人、18万人まで引き上げる。技術者の数を過去最高、技能者の割合を最高比率まで高める目標だ。
 女性の入職者を増やすにはまず、業界団体や企業自らが、女性受け入れへの強い意思や方針を社会に発信する必要があるため、採用・登用に関する自主的な数値目標や行動指針などを定めることとした。
 好事例の発信や初めて女性を部下に持つ上司の講習などを通じ、受け入れる側の意識を変える。複数の主体が連携した合同採用説明会や現場説明会なども実施し、建設業に対する理解を深めてもらう。
 入職した女性に働き続けてもらうには、現場環境の改善が欠かせない。国交省の直轄工事では、女性登用を促すモデル工事を実施するほか、トイレなどの整備にかかる積算基準や仕様を検討し、順次適用する。女性が増えれば、長時間労働の縮減や超過勤務時間の削減など、ソフト面の課題も、解消に向けて加速する可能性がある。
 女性の定着という観点では、結婚・出産や育児・介護などとの両立が大きなテーマだ。建設業における女性労働者の育児休暇取得率は、全産業中で最低というデータもある。今後は産休・育休や時短など、仕事と家庭を両立できる制度の導入・活用を促す。妊娠・育児中の一時的な配置転換や一時離職後の復帰サポートなどにも取り組む。
 情報発信では、建設産業の総合ホームページ『建設現場へGO!』を使い、情報を一元的に発信する総合ポータルサイトを立ち上げる。
 国交省は、自治体や業界団体、企業などがネットワークを形成し、地域ぐるみで女性を支える活動に支援する方針を表明。特定の都市にとどまることなく、全国各地に新たな動きを根付かせる。単なる担い手確保という域を超え、産業全体の活力や魅力の向上といった視点に立って、女性の活躍を促していく。

1.建設業界を挙げて女性のさらなる活躍を歓迎
2.業界団体や企業による数値目標の設定や自主的な行動指針等の策定
3.教育現場(小・中・高・大学等)と連携した建設業の魅力ややりがいの発信
4.トイレや更衣室の設置など女性も働きやすい現場をハード面で整備
5.長時間労働の縮減や計画的な休暇取得など女性も働きやすい現場をソフト面で整備
6.仕事と家庭の両立のための制度を積極的に導入・活用
7.女性を登用するモデル工事の実施や女性を主体とするチームによる施工の好事例の創出や発信
8.女性も活躍しやすい教育訓練の充実や活躍する女性の表彰
9.総合的なポータルサイトにより情報を一元的に発信
10.女性の活躍を支える地域ネットワークの活動を支援

この記事は建設通信新聞より転載しています

プロフィール

東恩納 尚縁

将来の夢は孫と一緒に暮らすこと。

孫ができた為、将来は娘夫婦と二世帯住宅の夢を持っています。
「住まい」について考えたコラムを寄稿しています。

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