インターネットで、まるで通信販売の様な感じで住宅を供給している会社があります。100を超えるプランから選び、すぐに販売価格が分かります。打ち合わせが殆どない、変更はできないという条件でローコストでもあります。もちろん、そのローコストは施工者の工事単価の圧縮(犠牲)に依る処もあります。

土地が決まっていたら、営業マンは地盤調査をして、基礎や補強などの加算分を上物価格にプラスして見積もりを出して契約します。後は1日で色の打ち合わせをして、着工完成です。

設計者はここでは出てきません。この販売システムに関わったり、地盤調査の結果から基礎とその補強を決めて終わりです。後はCAD課の人たちが自動的に図面を製本します。会社によっては図面は外注というところも多いでしょう。

時間が無い人やあまり家にこだわりがないが、そこそこの性能に家が欲しいという人には向いていると思います。しかし、注文住宅とは正反対の考えであり、こだわりのある人には向いていません。そして、ネットである程度のやりとりはしても、入口はネットでも現実の世界でお会いして何回も対話や打ち合わせをしないと注文住宅はできません。これは、現場ごとにカスタマイズをしないといけないリフォームも同じです。これが面倒という方は注文住宅は不向きです。

設計事務所の人間の多くは営業が得意ではありません。深追いはしない人が多いと思います。注文住宅を考えている方は設計事務所や住宅会社の人と現実の世界で会ってみて話を聞くあるいは考えや悩みを話してみるところからスタートしてみたらどうでしょうか? ここは、その入り口でしかなくネットの情報はほんの一部分でしかすぎません。 (続きを読む)

おもしろい蓄電池

2013年7月9日

世間ではスマートハウスなる家が流行っています。
大雑把に言えば太陽光発電パネルに、蓄電池、HEMS(これは必須)の機械の組み合わせでもあります。だいたい300万~500万くらいコストアップです。

その蓄電池は多くは、「鉛蓄電池」と「リチウムイオン蓄電池」にタイプがわかれますが、変わった方法の蓄電池があります。

簡単に言うと、電気エネルギーを回転エネルギーにして蓄電して、取り出す時は、回転エネルギーを電気エネルギーに変えます。その蓄電池の中は金属の駒が回転しているだけです。フライホイール・バッテリーと呼ばれています。今までもあったのですが、効率がかなり改善できるようです。340kgあり15kWhの蓄電が可能になるそうです。

既存の蓄電池は10年くらいで交換るす必要があり廃棄物がでますが、この方法だと相当長く使用できそうです。これで初期投資が少なく抑えることができれば期待はもてそうですが、まだまだこれからの技術のようです。

ただ、個人的には重装備なスマートハウスは選択の一つであり、風通しや採光や断熱などを先に十分に検討すべきと考えております。

面白い技術なのでご紹介します。

回してためる!自然エネルギーの弱点を克服する、次世代エネルギー貯蔵システム「VELKESS」[green power funding]
http://greenz.jp/2013/07/09/velkess/ (続きを読む)

塀の役割

2013年6月27日



最近の新築の家では塀を造ることは少なくなりました。あってもフェンスがある程度です。そして、家や敷地が丸裸のような外構も少なくありません。

よく、考えると不思議です。これだけフライバシー意識が高まり、地域の連帯意識が少なくなっている状況ではこのオープン化は逆行しているようにも思います。

本格的な塀が少なくなってきた背景にはいろいろあるでしょう。たとえば、敷地に車一台しか駐車できない敷地に塀を設けると出入りに邪魔ですし、風通しが悪くなり、暗い感じもします。また、地震時での倒壊の危険性えお考えると、フェンスのような軽い材料の方が安心です。或いは単純に予算の問題であることもあるでしょう。

重たい感じのする塀ですが、重厚感とどっしりとした落ち着きを感じる事ができます。街並みも、個の意識が隠されて、公と個を緩やかに繋げる役割もあり趣もでます。一方で、オープン外構は防犯的には良い面もあります。

家という場所だけでなく、周辺との関係性も計画段階でしっかりと考えたいものです。 (続きを読む)



今日は大阪で、とある講習会に参加してきました。内容は、暖冷房計画と結露でした。今回で2回目です。この講習の魅力はシュミレーションをして室内環境などの確認して設計に反映させていく手法を学べる事です。

その中でも壁の中の結露のシュミレーションがとても興味深いものでした。省エネ住宅は先ずは外壁に断熱材を充填するところから始まりました。その結果、壁の中で結露が発生してしまい、柱や筋交いを腐敗させてしまう事例が起こりました。現在では防湿フィルムや空気層を設けて対策をすることが一般的になりましたが、この地域がこの仕様で良いのかは経験的なものに頼ることも多かったのではないかと思います。

このシュミレーションでは、壁の仕様や透湿の程度、湿度、外部と室内の温度などを入力すればグラフが表示され、内部結露が発生するかを視覚的に確認できます。このグラフでは、青い線と赤い線が交差する部分で結露が発生するので、壁の仕様としては不適合です。(防湿フィルムが無いケースです)

内部結露は住まいの大敵です。間違うと、折角いいプランの住まいが台無しです。計算で予防でいきる事は、計算もきちんと取り入れる事が必要だと思います。 (続きを読む)


室内に気持ちの良い通風が欲しくなる季節になりました。自然風をうまく利用することで、夏や中間期(春や秋)に快適な室内温熱環境を実現して冷房負荷を低減することができます。

その為には自然風の気象データの活用が重要です。写真の気象データからは、就寝時(夜)には南東側が自然風の風上になります。ですので、南東側に窓から自然風を入れて、北東側の窓から抜けるように設計するのが一番効率的です。

周りに障害物があると効果が減少しますが、自然風の気象データを参考にして設計して損は無いと思います。また、土地を選定する場合にその地域の自然風のデータを把握して選定すれば、より良い土地を選定できることにもなります。 (続きを読む)

建築は芸術ではないので、形から入ると社会の無用の長物をつくってしまうのではないかと思ってしまいます。

ただ、素晴らしい職人さんの技術や芸術家の作品、建築技術を集積させる場所を提供できるようにすることは出来るのかもしれません。

特に何か出来ることはありません。お施主さんの想いも含めて何かを集積させることが役目なのでしょう。 (続きを読む)

建築は確かに人間が人間になる装置であることは確かです。
建築が存在しなけれは、社会も国家も家族も文化もありません。
でも、どのような原理が働いているのでしょうか?

単に、雨風を避け、外気よりはすごしやすい環境をつくるだけの問題で
ないとは思います。
何かがあるのだと思います。
まだまだ分かりません。 (続きを読む)

ベランダの蛙

2013年5月18日

img src="http://iemusubi.com/upload/img/600/1368880010ベランダの蛙s.jpg" alt="" />
ベランダに蛙がいました。
ここまで登って来たのでしょうか?
新しい世界を求めてよじ登って来たのでしょうか?
どこへ行こうとしているのでしょうか?
でも、これ以上登っても蛙くんの希望の世界はありません。
どうぞ、お帰りください。 (続きを読む)

住まいの空間の基本はイメージとして「流れる」です。
何かが溜まる、止まるような空間の構成は避けるべきです。

風が流れる
空気が流れる
人が流れる(行き交う、優れた動線)
出し入れしやすい収納(モノが流れる)
光が入ってくる
風景が入ってくる
etc.....

常に変化して入れ替わりが行われ、生活の変化に対応して、室内環境を豊かで健康的な状態に保つ動的な流れを感じる空間。

この考えが正解かどうかは別として、見た目のかっこ良さよりもこのような原理が大切なんだと思います。 (続きを読む)

ご要望で多いのが収納の充実です。あればあるほど良いと言われます。
収納率という定義があり、簡単に言えば延べ床面に対する収納部分の比率です。一般には8%程度ですが理想は12%程度と言われています。

もちろん、この数字を上げればいいというわけではありません。取り出しにくい空間の多い収納計画は、単にモノを詰めておくスペースになってしまい何を仕舞い込んだか忘れてしまいがちです。収納されるモノは空気と同じで循環されるような工夫が必要です。

とは言うものの、私のように整理整頓ができない人は、どれだけ収納率を上げてもモノがあふれるのだろうと思います。収納は整理整頓ができる人のためにあるのかもしれません。 (続きを読む)

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