マイベストはマイベスト‐1435‐



 先日、杵で餅つきをするのを見かけました。



 今日で11月も終わり。

 明日からいよいよ師走に入ります。

 10月の初めのことですが、以下のようなメールが届きました。

 あらゆるジャンルのモノやサービスに関して、その選び方やおすすめ商品の紹介などをメインコンテンツとしており、今では月間約700万人ほどが訪れるサイトとなっております。

 弊社サイトでは、これまで基本的に編集部で調査・執筆していたのですが、今後、その道のプロフェッショナルの方々に取材をさせて頂き、ご意見やご見解を紹介することで、より一層の価値ある情報を提供していきたいと考えております。

 そこで、取材をさせて頂けるプロフェッショナルの方を探しており、守谷昌紀様へ是非ともお願いしたく、ご連絡させていただきました。



mybestというサイトで、今週月曜日に私の記事がUPされていました。

 ページビューをみると64viewsとなっています。

 トップページにある化粧品などは、4万、6千となっているので、それと比べれば、私のベストアイテムは大して参考にならなかったのかもしれません。

 「建築家が愛用する仕事を楽しく快適にしてくれるアイテム」ですから、参考になる対象人数が少なすぎるのでしょう。

 以下の3つは、竣工間際の現場にある造作ものです。



 「山本合同事務所」のムービングキャビネット。

 デスクの横で書類を立てておくものですが、 既製品はスチールやプラスティック等で製作されます。

 緑を囲むオフィスなので、木製のオリジナルをデザインしました。



 家事動線がコンパクトな「白のコートハウス」の階段は、壁に小窓が見えます。

 この後ろに洗濯室があるのです。

 写真の右が主動線。左は身長158cmの奥さんがキッチンから抜ける通る動線です。

 それが可能になるよう、階段を設計しています。



 「碧の家 」のハシゴは、3~7段目にディスプレイできるように考えました。

 これらは、クライアントの要望を何とか叶えるために設計したものなので、誰にも役立つものではありません。

 1点ものばかり設計し、創ってきた私にできるアドバイスがあるのかは、かなり怪しくなってきますがよければ一度のぞいてみて下さい。

 一番最後にあげたのが、レーザーポインター。

 手元に1つ、打合せスペースに1つ、現場行きカバンに1つ入れてあります。

 現場に行った際、これがなければ慌ててしまうほど重宝しています。

 本当に便利なので、施工会社の監督には結構勧めましたが、誰も使っているのをみたことがありません。

 マイベストはマイベスト。

 結局勧めても誰も使わないじゃないと、ちょっと思っているのですが。


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築80年、住吉の長屋を「碧の家 」に〈リノベーション〉‐9‐あと一歩


 2017年も間もなく12月に入ります。



 引越しを間近に迎え、「碧の家」も追い込み段階に。



 玄関横の自転車置場スペースの屋根が出来上がってきました。



 1階ダイニングスペースから奥にみえるのは通り庭。



 ここは、最後の最後にチョコレート色と白のタイル貼りへと変更になりました。



 ダイニングからエントランスを見返すと、追い込み感が伝わるでしょうか。



 階段を上がると、2階の中央は客間を兼ねた空間です。



 奥にある、南に面した部屋は主寝室。



 収納の一部をパソコンスペースとしました。

 南面する窓の下枠を大きくし、碧にしています。小さなカウンターのイメージです。

 チェアは今回購入した、アイブルーのセブンチェア。



 階段横にあるハシゴでロフトに上がります。



 このハシゴのディティールもかなりこだわりました。



 建物すべてで碧がテーマになっている通り、ロフトにも碧。



 ここから南の空を望めるのです。



 設計を始めるとき、「今回の計画で、必ず叶えたいことは何でしょうか」と尋ねます。

 その中に「月を見ながらくつろげる、勉強できる」がありました。ロフトはそれを具現化したものです。

 建築は未来の幸せの形。

 の実現まであと一歩のところまでやってきました。

文責:守谷 昌紀




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(仮称)トレジャーキッズたかどの保育園‐3‐土の中と壁の中


 11月に入り、基礎工事が急ピッチで進んでいます。

 先々週は、配筋検査でした。



この園の躯体は鉄骨造ですが、基礎は鉄筋コンクリートでつくられます。

 鉄筋コンクリートは、その名の通りコンクリートの中に鉄筋が組まれたもの。

 それぞれの長所、短所を補い合った構造体です。



 鉄筋が構造設計書通りに組まれているかをチェックするのは、監理者である私の仕事。



 そして先週はコンクリートの打設でした。



 生コンを運んできたミキサー車から、ポンプ車を経由して型枠内にコンクリートを流し込んで行きます。



 かなりの広さですが、夕方には終わる予定とのことでした。



 そして昨日は、鉄骨の製品検査。



 制作工場にて、横たえられた柱の寸法、品質をチェックしていきます。



 鉄骨で難しいのはその接合部。



 溶接によって繋がれるのですが、その溶接部に割れや隙間がないかは、専用の機械で調査します。



 担当者が、2日掛かりで調査を行い、その確認を行いました。



 音波を発信し、その反射で溶接部内を調査するのですが、魚群探知機と同じ原理です。

 土の中と壁の中に隠れてしまう、基礎と鉄骨。

 これらが建物を支えるのですが、おもて舞台にはでてきません。

 しかし、そういったところが、建物の安全、ひいては美しさに大きく影響してくるのです。

文責:守谷 昌紀




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氷ばかり艶なるはなし‐1433‐



 前回、大阪はイチョウが見頃と書きました。



 春になると、桜の木がこれほどあったのかと驚きますが、秋もまた同じです。



 今日は、鉄骨の製品検査に堺まで行ってきました。



 鉄骨造の柱や梁は、工業製品の部材を加工し製作していきます。

 中でも溶接は、技術、精度が求められ得る工程。



 これは錆び止め塗装をしているところです。



 今日は監理者として検査に行ったのですが、活気のあるこんな現場をみるのはとても楽しいのです。



 鉄の比重は7.85ton/㎥。

 500mlのペットボトル大で重さが約40kg。

 40kgのバーベルが、足に落ちれば大けがです。

 しっかり教育されているからか、危険を伴う現場で働いているからか、工場の人達の動き、応対には大変好感がもてました。



 部材の寸法を読み上げてくれるこちらの担当者。

 スケールの数字を正確に読み取ろうとする姿勢が真摯なのです。

 夏は暑く、冬は寒い工場での仕事は過酷でしょう。そんな中で、真面目に働いてきたのだと想像します。

 姿勢には、その人の人生がでます。

 今日はなぜか、清々しい気分になれたのです。


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氷ばかり艶なるはなし‐1433‐



今日は、所用を済ませにミナミへ。



 御堂筋のイチョウは、黄色より緑が多め。

 来週あたりが見ごろでしょうか。



 道頓堀を西へ歩き、御堂筋を超えると少し人通りも減ってきます。



 更に西へ進めば湊町。

 ナンバハッチが見えてきます。



 ミナミの繁華街の南西角に建つのは元「D-HOTEL」。

 現在は「Continent Vijoux」という名前に変わっていました。

 現在は京都大学の教授である竹山聖の設計で、1989の作品です。



 ミナミによく行く人なら、この辺りの雰囲気を想像してもらえるでしょうか。

 いかがわしいと言えばよいのか、健康的と言えばよいのか、まあそういったエリアです。



 竹山聖の出世作といえるこの建物ですが、元はコンクリート打ち放しだけの表現でした。

 緩やかにカーブを描いた壁に、クレバスのような裂け目が入っており、非常インパクトがありました。



 現在は裂け目の下がタイルの壁で塞がれ、エントランスとなっているようです。



 最頂部にもタイルが追加されています。

 こちらの方が沢山人が集まると言われれば、それが正解なのかもしれませんが、街には凛とした建物があってもよいと思うのは私が創り手だからでしょうか。



 しかしそのフォルムは健在です。



 カーブした壁の先端は、厚みが2.5cm。

 間違いなく限界値でしょう。

 室町時代の僧、心敬は『ひとりごと』でこういいました。

  氷ばかり艶なるはなし

 心敬は氷に、冷たい、艶めかしい究極の美を求めたのです。

 そう考えれば、この元「D-HOTEL」こそ、この地に最も合った建物と言えるかもしれません。



 所用は、12月を控えスタッドレスへの交換でした。

 ディーラーは、なにわ筋沿いにあり、ミナミから歩いて15分程。

 こちらのイチョウは丁度見ごろでした。

 感想、発言は全て主観に基づいています。よって公正な意見などありません。

 しかし、他者の支持がなければ、仕事としては成立しません。

 働くとは、仮説の答え合わせにほかならないのです。

 今日は勤労感謝の日。

 今年も沢山の仕事を頂いたことにまずは感謝し、また1年、答え合わせの旅にでます。


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(仮称)トレジャーキッズたかどの保育園‐2‐子は宝


 「トレジャーキッズたかどの保育園」の工事が本格的に始まっています。



 まずは地盤改良工事。

 本格的に建物の設計をする前には、まずは地盤調査をします。

 そのデータに基づいて、基礎の更にしたにどのような地盤改良をするかを設計するのです。

 この土地は、表面から柔らかい粘土の層が続きましたが、砂礫の良好地盤が見つかりました。



 その層まで穴を掘り、セメントミルクを注入しながら撹拌していきます。



 地面の中に太い電柱を現場製作していくイメージです。



 ちなみに、このオペレーターの人は、新・国立競技場の地盤改良杭を施工してきたとのこと。

 この道のエキスパートなのです。


 大阪は、上町台地を除いて5000年前は海だったところが大半です。

 今回の良好地盤は、砂に礫の混じった層でした。



 砂に丸い礫が混じっているということは、川から運ばれてきたものだと想像できます。



 弱い地盤面を無視すれば、数千年前の地面の上に、コンクリートの柱をたて、その上に保育園が乗っているという図になります。

 過去が現在を支えているのです。

 園の名前は「トレジャーキッズたかどの保育園」となる予定です。子供は間違いなく人類の宝なのです。

 園の運営会社の方がこんなことを言っていました。

 「大阪で庭を持つのって大変じゃないですか。

 保育園では思いっきり外で遊んでもらいたいですよね。

 近くにウチの園があれば是非通わせたいですもの」

 仕事の基本は人の気持ちになることです。

 自分の会社の仕事を、ここまで好きになれることは素晴らしいことです。

 なんとか私たちの思う、理想の園を創り上げたいと思います。




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あなたもよくなれ、わたしもよくなれ、みんなよくなれ‐1430‐

昨日は天六にある大阪市立住まい情報センターでの、セミナーでした。


天神橋筋商店街のすぐ東にある、10階建ての立派な建物です。

8階から10階の「大阪暮らしの今昔館」は江戸時代の街並みが再現されており、なかなか見応えがあります。

2008年に子供達と訪れましたが、現在は外国人に大人気のスポット。

エレベーターはいつも外国人でいっぱいなのです。


今回の会場は5階にある研修室。

4階にある「住まいのライブラリー」と吹抜け階段で繋がっています。


昨年の4月、他団体の主催でしたが、3階にあるホールが会場でした。

その際は60名の申込があり、40名の参加がありました。


この日は14名の申込があり、参加は7名。

1人のお母さんが赤ちゃんを抱っこしていたので8名とも言えますが。

昨年4月も、人数を気にしても仕方がないと書きましたが、折角なら参加が多い方が嬉しいのが本音です。

しかしこれは全て私の問題。自分の集客力のなさを思い知り、訴求力が足りていないと痛感するのです。

初めて講師をしたのは2011年7月2日のことでした。

この時は新聞広告が入ったにもかかわらず申し込みは15名、参加は8名でした。

それなりに出来たように書いていますが、正直、内容は全くでした。あがっていた訳ではないのですが、早口、抑揚がなく、内容を詰め込みすぎ。

実は、大学時代の後輩がひとり参加してくれたのですが、この日記ではそこにも触れていません。

ようは散々だったのですが、参加者の方には申し訳ない気持ちしかありませんでした。

セミナーは今回で数えて16回目。初めて合格点がだせるかなと思っています。


セミナーのあと、相談希望の方と1時間くらい話しましたが、とてもよい笑顔で、楽しかった、ためになったと言ってくれました。

回を重ねるごとに、構成、話しかた、タイミングなどを改善してきたつもりですが、それらはテクニックでしかありません。

一番大きいのは「参加してくれた方に幸せになってもらう」という気持ちが多少なりとも持てるようになったからだと思います。

昨日、こんな場面がありました。

セミナーが始まってすぐに、参加者の方が質問をされました。

司会の方が気を遣って「質問の時間は後でとりますので、セミナー中は控えて頂けますか」と。

その方は「人数がこれだけしかいないのだから、もっとフレキシブルでもいいのでは」と。

セミナーは始まったばかり。ここで、押し問答をしていても仕方ありません。

その方、また参加者の方にとって、一番よい方法は何かと考え「途中で質問頂いても大丈夫です。ただ、できれば挙手頂けますか」と答えました。

それで納得されたようで、最終的に途中の挙手はなく、最後にまとめて質問されました。

私の尊敬する経営者、恩田さんが主催する勉強会があります。

ボランティアで経営を教えていただくのですが、勉強会が始まる前にトイレで「今日お見えの皆さんの、決算書がよくなりますように」とつぶやいてから講義を始めるそうです。

そんな仙人のようなことは自分には出来ないと思っていたのですが、これが驚く程効果があるのです。

仕事は好きで、楽しくしているつもりですが、中にはシビアな打合せもあります。

そんな時ほど「○○さんに幸せになってもらえますように」とつぶやいてから打合せに入ると、思った以上に良い方向へ展開していくのです。

考えてみれば当たり前です。

逃げ腰で、こわごわ話すのと、少しでも幸せになってもらえるよう、改善策を探るのとが、同じ結果であろうはずがありません。



 あなたもよくなれ、わたしもよくなれ、みんなよくなれ

この恩田さんの哲学に何度も救われた気がします。

仙人になることはできません。しかし、1人だけで幸せになることは不可能なのです。

人生はいつも総懺悔です。

前回まで参加してくれた全ての参加者に頭を下げたい気分ですが、出来ればまた参加して貰えると嬉しいのですが。


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緑を囲む京都のオフィス「山本合同事務所」‐5‐主役登場


 10月の最終週からようやく天候も回復。



 「山本合同事務所」もようやく外部工事の目途がつき、内装工事が本格化しています。



 壁、天井の塗装がはじまりましたが、1階駐車場はまだ下塗りの段階。



 2階ワークスペースはほぼ塗装も終了です。

 このオフィスは壁紙を使っておらず、エマルジョンペイントという、漆喰のような肌合いの塗装を仕上げとしています。

 空間が優しくなるのです。



 ワークスペースの吹抜けは、タワー状の足場があるうちに仕上げなければなりません。



 11月に入ってから再び現場へ行くと、家具が搬入されてきました。

 オーバルカウンターがワークスペース中央に据えられ、空間が引き締まります。



 夕方、クライアントも交えて、LANのネットワーク、電話等の打合せ。

 それぞれの席に、どのような配線を送るかを、1席ずつ確認して行きます。



 3階は吹抜けと繋がる、リビングのような空間。

 休憩室、打合せ室など使い方は様々です。

 小振りな無印のキッチンが入り、イメージが明確になってきたと思います。



 舞台なら、主役、ヒロイン、仇役、脇役があるように、建築にも配役があります。

 このオーバルカウンターはこの建物においてはまさに主役。

 ワーキングデスクという機能を満たし、中央に緑を内包する形状は、この空間のためだけにデザインしたもの。

 現時点での手応えは十分です。

 このあと、続いてヒロインも登場します。

 山本合同事務所劇場はクライマックスに向かうのです。

文責:守谷 昌紀


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はやきこと風のごとく‐1429‐



 一昨日、11月7日発売の『ESSE』という女性誌に、「松虫の長屋」の写真が掲載されました。



 『快適で「楽しい!」家づくり』というテーマで3ページにわたり、8軒の家が紹介されています。

 写真が1枚だったのは残念ですが、選んでもらった嬉しさもあります。



 表紙は仲間由紀恵さん。もしよければ手に取ってみて下さい。



 先週末の埼玉行きですが、連休の渋滞予測もあり、夜遅めに大阪に戻るイメージでした。

 11月5日(日)ライン下りを終え、10時半頃に長瀞を出発。

 秩父から甲府へ抜ける国道140号線は通行量の多い道路。早めの出発で、昼過ぎの甲府着を目指します。

 峠では間もなく紅葉のピークといった感じでした。



 甲府まで約2時間半。



 駅前の駐車場に車を停めて、徒歩でウロウロします。



 駅北の広場では、山梨ラーメングランプリなるイベントが開催中。

 全国から味自慢のラーメン店が集まり、1杯800円で投票が行われるそうです。

 凄い行列で、うちの子供達は屋台のたこ焼きと肉まんを食べていましたが。



 駅前に建つ山梨文化会館は 丹下健三の設計。1966年の完成です。

 何本かみえる筒状の部分には、縦動線が収まっているのでしょう。コンクリートの強さ、自由な造形を活かした建物です。



 その隣に建つのは山梨県立図書館。

 高さはかなり抑えられ、時代の気分を感じさせます。



 明るく、開かれた図書館で、多くの市民が利用していました。

 駐車場が1時間無料となっており、このあたりの配慮には好感がもてます。



 2階は、受験生が多く勉強しているようでした。

 入試まであと2、3ヵ月。ピリピリとした空気感が伝わってきますが、ここで勉強できる甲府っ子は幸せにみえます。



 駅の南にある武田信玄像。

 甲府城跡も駅南にあります。



 これは豊臣が築いた城で、信玄がここで采配を振るったわけではありません。



 しかし、天守閣跡から甲府盆地を見渡せば、その美しさは他に類のないものです。

 盆地の向こうには富士山も見えます。

 戦国最強とうたわれた武田軍は、三方ヶ原の戦いで、織田、徳川連合軍を打ち破りました。

 歴史に「たられば」はありませんが、信玄がもし早世していなければ、という話はよく聞きます。



 ここ甲府が日本の首都になっていた可能性も十分にあった訳です。



 今回は11月4日(土)は青→草津、黄緑→諏訪、5日(日)はオレンジ→長瀞、赤→甲府、黄→大阪と1100kmの旅。

 大阪に戻ったのは深夜12時でした。



 土曜日は、草津で大きな虹が見えました。

 ぶつぶつ言いながらも子供が着いてきてくれるうちに、少しでも沢山の景色を見せておきたいと思います。

 年末は、夏休みにキャンセルした47都道府県最後の宮城への旅の予定です。

 冬の東北ですが、一番好きなフェリーの旅で完結したいと思っています。

 風林火山は言わずとしれた武田家の旗印。

 今度は何とか出掛けられるよう、疾(はや)きこと風のごとく正しい判断を積み重ねるのみです。



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それでもやまない雨はない‐1426‐



 先週の台風21号に続いて、22号が発生。

 2週続けて、大雨の週末になりました。

 土曜日は「中庭のある無垢な珪藻土の家」の撮影の予定でしたが、延期せざるをえず。



 緑を囲む京都のオフィス「(仮称)山本合同事務所」。



 家事動線がコンパクトな「白のコートハウス」。



 築80年、住吉の長屋を「碧の家 」に〈リノベーション〉。

 木、金、土の現場回りはずっと快晴で、1日ずれていればと、歯噛みしたくなります。



 昨日はJRでの移動でしたが、昼頃はかなり強い雨脚でした。



 淀川も増水していましたが、直撃ではなく先週ほどの被害はなかったようです。



 昼には大阪に戻り、ショールームでの打合せに。



 グランフロントにあるリクシルで2時間半みっちり打合せをしました。



 夕方頃には雨もあがり、神戸方向から夕日も差してきたのです。



 梅田にも人足がもどり、どことなくホッとした気分になります。

 例えに出して申し訳ないのですが、「やまない雨はないというけど、本当だろうかと思っていた」と元プロ野球選手・清原和博が話していた場面をみたことがあります。

 FAで、西武から念願の巨人に移籍したが、思うような成績をなかなか出せず。

 また、松井秀喜との主砲争いに敗れ、夜遊びばかりとメディアからバッシングを受けていた頃を指してのコメントでした。

 やまない雨がないのは間違いありません。しかし、晴れがやってきたとしても、またいつか台風はやってきます。

 数限りない栄光を手にしてきた彼が、本当に超えられなかったのだろうかとも思いますし、早熟の天才だったからこそ超えられなかったのかもしれません。

 先週、ある計画のプレゼンテーションをした後、断りの連絡を貰いました。

 私も設計したいと思っていたにも関わらず、断りがはいったのは久し振りです。

 負け惜しみもありここで書いているのかもしれませんが、この経験を少しでもプラスにしなければ、同じところを行ったり来たりするだけです。

 今回は良かったですが、またいつか大型の台風が直撃する機会はあります。

 ならばそれを想定し、準備し、危険も含めて、生きることを楽しむしかありません。

 それでもやまない雨はないのですから。



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株式会社一級建築士事務所アトリエm

プロフィール

株式会社一級建築士事務所アトリエm

夢は必ず実現する、してみせる。

一級建築士  守谷 昌紀 (モリタニ マサキ) 1970年 大阪市平野区生れ 1989年 私立高槻高校卒業 1994年 近畿大学理工学部建築学科卒業 1996年 設計事務所勤務後 アトリエmを設立 2015年 株式会...

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