グ・リ・コ‐1240‐

2016年1月25日



 昨晩から今朝にかけて、平野部でも積雪の予報が出ていました。

 雪景色を期待するところもありますが、降ったら降ったで、建物のことも気になり……

 良かったような残念だったような。


 昨日は、長男をテスト終わりでピックアップ。

 三木市にある、グリコの工場へ行っていました。半日楽しめるところを探すのは意外に大変です。



 全体で1時間15分くらいのコース。商品の歴史や展示資料もあり、なか面白かったです。

 道頓堀のグリコネオン塔は、大阪市から景観形成物に指定されているそうです。



 チョコレートはカカオ豆から作られますが、その工程を詳細に紹介していました。グリコは、そこに力を入れている会社だと分かります。

 ここは、ポッキー、プリッツ作っている工場で、同じような施設が全国に10程あるそうです。

 生産ラインが面白かったのですが、残念ながら写真不可でした。



 待合室では、過去のCMが流されています。



 1980年は田原俊彦と松田聖子。

 アイドルが、毒舌タレントとして復活する姿に好感は持てませんが、彼らの映像が、自分の中の年表となっているのを実感します。

 タレントの立場から言えば、ポッキーのCMに選ばれると言うことは、時代のトップランナーに選ばれたという証明。

 過去の年表を見て、それがよく分かりました。

 個人的には、渡辺徹の「約束」が懐かしかったのです。



 創業者は江崎利一。

 初代パッケージは自分で描いたそうです。

 ただ、胴が長く、顔か怖いというので、すぐにリニューアルされたようです。



 グリコのキャラメルには早い段階で、オモチャがつくようになりました。

 「食べることと、遊ぶことが子供の二大天職」という江崎の考えからでした。



 このツアーは無料ですが、、子供には1つずつプレゼントがあります。


 オモチャと言っても、プラスチックの積み木のようなもの。それでも子供は嬉しいのです。

 江崎利一の言葉も紹介されていました。

 「アタマは使うが心痛はしない」

 ものごとを考える時は、額やわきの下から脂汗が出るほど考える。しかし、いつまでもくよくよ考えない。気持ちをさっと切り替えることだ。

 「カニのように横に這ってでも前進せよ」

 大きな壁にぶつかっても、引き下がってはいかん。壁に沿って廻ってでも壁の向こう側に行きつくことを考えよ。

 そして、キャッチフレーズを考える時の心構え。

 「息がくさくなるまで考えよ」

 ちょっと笑いましたが「一粒三百メート」はこういった考えの下、生まれたのです。

 額わきの下から脂汗が出たこと。這ってでも進んだこと。そして息がくさくなったこと。

 そんな体験なくして、リーダーたりえる事はありません。

 大阪の子供が、ジャンケンした時、グーで勝てば「グ・リ・コ」と言いながら、3歩前に進みます。(関東がどうなのかは知らないのですが)

 怪人21面相事件も、関西では記憶に残る事件ですが、東京一極化が進むなか関西の雄といって間違いありません。

 トップたるものやはり言葉のセンスというか、言葉に対する情熱が必要なのだと思い知らされます。

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2016年1月21日 コメントをどうぞ
 今日は大寒。本当に寒い日が続きます。

 天気の良かった先週末、南港へ行っていました。



 ATC前にはサンフラワーが停泊中。行先は、別府か鹿児島か。



 こう寒いと、おんせん県へ出掛けて行きたくなります。



 この日の目的はLIXILショールーム行き。

 2時間程かけて、クライアントと仕様の確認をしました。



 すぐ近くの敷地に、「温泉掘削中」の看板が揚がっていました。

 「おんせん島」になるのか、泡沫の楼閣になってしまうのか……

 どのくらいの費用なのか分かりませんが、いずれにしてもギャンブル的要素が強そうです。

 少し前ですが、あるパチンコ店の経営者の経営理念を聞く機会がありました。

 「お客様の健全なシャコウシンを満足させる為に、我が社は存在している」

 その時は、漢字が分からず、「シャコウシン」とは、少ない努力で大きな結果を得る、怠惰なこと等に関係する言葉かなと、想像していました。

 「シャコウシン」=「射幸心」

 読んで字のごとく幸せを願う気持ちです。

 日本でギャンブルが禁じられているのは、以下のような条文が根拠になっていると知りました。

 「国民の射幸心をあおるのは勤労によって財産を得ようとするという健全な経済的風俗を害する」

 「安易な射幸心」としたほうがしっくりきます。

 ここの所、SMAPが分裂、独立するか否かが、大きな話題になっています。

 テレビはあまり見ないので、分からない事ばかりですし、意見も求められていませんが、自由にさせてあげたらと思います。

 偉大なグループだと思いますが、ビートルズも解散しましたし、後年復活するケースも多々あります。

 皆が見たいからとか、こっちが幸せだよね、と周りが誘導しても、悔いばかりが残るのではないかと思います。

 10代半ばからアイドルとして頑張ってきて、生き残る確率などほんの一握り。色々な事を我慢し、努力してきたのだと思います。

 国民的俳優、高倉健が東映を独立したのも40歳頃でした。このあたりからは、自分の幸せ、周りの幸せ、そしてファンの幸せの順で、良いのではと思います。

 国民的アイドルとは言え、一人の人間。幸せを求める心はなんら変わりません。

 動くもよし、動かぬも良し。ただ、動くと必ずブレーキを掛けたがる人が出てくるのは事実です。

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 土曜日の夜は、大学時代の集まりがありました。

 店は西天満にある「エクウス」。


 古い一軒家を改修してあるのですが、マスターの世界観が独特でした。



 トイレの中がかなり良かったのですが、ちょっと、ここには上げにくものばかり。

 猥雑、混沌、ダダイズム。



 先日亡くなった、柳原良平のアンクルトリスも。

 押さえるべきところは押さえてあります。



 料理は本格的です。



 この石焼ごはんも名物のよう。味、演出とも繊細でした。



 最後まで見送ってくれたマスターは、明るく、中性的な感じの人。

 こういった仕事には、そんな感性がストロングポイントになるのだと思います。

 お勧めの店です。



 二次会は、東通り商店街まで戻り、裏路地へ。



 「ドン」はゲイバーです。

 強調しておくのですが、私がこういった店が、特に好きな訳ではありません。(別に好きでも全然良いのですが)

 この集まりは、二次会ここに来る事が多いのです。

 初めて連れて来て貰ったのは25歳の頃だったか。



 もう20年になりますが、会員制だったとは知りませんでした。

 長いと言っても、私が来たのは10回位ですが。



 右は、正真正銘のママ。



 「あらア~、久し振りじゃなア~い」

 「本当に覚えてるの」とからかうと

 「あったり前じゃなア~い。この人でしょう」


 タバコの煙でか、変色していましたが、「白馬の山小屋」のポストカードです。

 1999年の年賀状に使いました。当時は少しでも自分の事を知って貰いたく、持ち歩いていたのです。 

 「俺は必ず安藤を超える」とか言って手渡ししたのだと思います。

 ざっと見渡しても、貼られているポストカードはこれ一枚だけ。まず、感激しました。

 そして、この20年、精一杯生きてきたのだろうかと自問してしまいます。

 「ドン」は今年で30年だそう。

 この場末のゲイバーが30年続き、仕事の顔とは言え、楽しく働き、そして暮らしているという事実。

 世界的には同性婚も認められていく流れです。

 しかし、彼らがマイノリティーであるには変わりはありません。少数派であるが故に分かる、人の心の機微。

 更にそれを芸として生き抜く逞しさ。



 皆と別れたのは2時頃でした。何となくそのまま帰る気分でなく、北新地の友人の店をのぞいてみまいた。

 店じまいの準備をしていましたが、結局朝方まで話をしていました。朝まで飲んだのは何年振りか。

 自分のストロングポイントとは。強くありたい、しかし、心の機微の分かる人間でいたい。

 楽しく、そして、少し苦いキタの夜だったのです。

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建築の敵‐1238‐

2016年1月18日


 今年の冬は暖かいと思っていたら、急に寒くなってきました。



 それでも、関西のスキー場には厳しい状況が続きますが、標高のあるびわ湖バレイだけが健闘中のようです。

「野洲の家」へ向かう東岸から、頂上付近、わずかに雪が見えていました。

 先週の取材の際、撮り忘れていたアングルを何枚か撮りました。主には吹抜けに面したセカンドリビングからのカットです。



 吹抜けのハイサイドから、丁度、土塁上のヒノキが目に入ります。ここからの景色がとても良いと、クライアント、監督から感想を貰っていました。

 敷地が大きいので、建物の奥行きが薄く、どこからでも自然が目に入ってくるのです。

 建築の役割は、人間に自然のよい影響を全て与える装置として働くことであり、またそれは、人間を自然と建物が作り出す環境に現れる全ての悪い影響から保護することである。

 1898年、フィランド生まれの建築家、 アルヴァー・アアルトの言葉です。



 1953年に完成した「夏の家」は彼の別荘。

 実験住宅「コエタロ」とも呼ばれるように、色々な実験がなされた面白い住宅です。

 今も好きですが、若い頃は、今以上に影響を受けていました。



 1998年に完成した私とっての3作目。「Spoon Cafe」は、アアルトの空間を意識してデザインしました。

 特別な仕掛けがある訳ではないが、来訪者が主役だという気持ちは、強くもっていました。

 アアルトのエッセイ集はなかなか面白いのです。

 『不動産投資家』は建築の敵No.1だと言います。更に、手ごわい敵は、『建築経済性の理論』であり、普通「どんな形の家が最も経済的か?」と語れていると言っています。

 もし5階あるいは8階建の家を建てたとすると、その質問は「建物の奥行はどのくらい?長さは?持家を持ちたいと望んでいる人々に一番安く建ててやる方法は何か?」というようなものだ。

 もちろん、これを科学と呼ぶことができるかもしれない。しかしそうではないのだ。

 答えは全く簡単だ。一番奥行の深い建物ほど安い。それは明らかなことだ。さらにいえば、非人間的な家ほど安い。

つまり、われわれのもっている一番高価な光は日光で、それを全部捨て去ればずっと安い家ができるというこいとである。

 すべての中で一番高価ものは新鮮な空気である。なぜなら、それは空調だけでなく都市計画の問題だからである。人間のための新鮮な空気は何ヘクタールもの土地、良い庭、森や草原や道路に値する。

 光と風=新鮮な空気と位置づけ、最重要視して設計をしてきましたが、新鮮な空気こそが最も価値があるとは、アアルトの視点は、かなり高いところにあります。

 しかし、建築の敵とは思い切った表現ですが、これに賛同したことで、私に投資家かからの仕事はこないかもしれません。

 真意が分かって貰えればそれで良いのですが「誰のため」「何のため」がぼやけてしまう原因に、経済性という言葉がちらつくケースは本当に多いと思います。

 勿論、経済性を無視するという意味では全くないのですが。

 真の建築は、その小さな人間が中心に立った所にだけ存在する。

 何とも表現しにくいが、なぜか良い。私にとってアルヴァー・アアルトはそんな建築家ですし、目指すところでもあります。



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主役は君だ‐1237‐

2016年1月12日

主役は君だ‐1237‐

 今日、成人の日は良い天気に恵まれました。

 例年、紙面を賑わす式典ですが、今年は穏やかに行われたのでしょうか。


 昨日は「野洲の家」の取材に立ち会っていました。

 「住まいの設計」は老舗住宅誌。3月21日発売号は「ペットと暮らす家」という特集があり、その中で取り上げて貰います。

 この日も、絶好の取材日和。



 撮影には、ご家族も4人で参加して貰いました。

 お兄ちゃんは就職が決まり、弟さんは大学に合格。何とも縁起のよい新春です。



 しかし、今回の主役は4歳のトイプードル。女の子です。

 これだけ本気で撮って貰えたら、出来上がりが本当に楽しみ。


 誌面を構成する編集、記事を書くライター、写真を撮るカメラマンと3名で東京から来て貰いました。

 写真を撮ると言っても、本当に色々なアイデアがあるものです。

 約4時間の撮影が終わり、取材チームはそのまま西宮へ移動。翌日も撮影とのことでした。


 私とスタッフの田辺はそのまま残りました。

 「新年会しましょうと」行って貰っていたのです。



 今回は、おでんとネギ焼きを用意して貰いました。



 美味しい料理とお酒、楽しい(苦労した)思い出話があれば、6時間等あっと言う間。

 夕方4時頃スタートし、気が付けば10時前でした。

考えてみれば、何度最終の新快速で大阪に戻ったのか。



 この取材の為に、テラス用のイスは新調して貰ったとのこと。本当に嬉しいことです。

 しかし、今回はもしペットがいなければ成立しない取材でした。故に、主役は完全に彼女でした。

 インターネット全盛の時代、紙媒体の縮小は顕著です。実際、廃刊になった住宅誌もあります。

 編集、ライター、カメラマンと、それぞれのプロが関わり、そのを商品として売るというスタイルが私は好きですし、重要な発表の場だと思っています。

 人の知識と技が無料なら、人自体の価値がない事になると思うのです。

 買って貰えるかは別ですが、 3月下旬にまた告知したいと思います。



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役と厄が鍛えてくれる‐1236‐

 今朝は、ポートアイランドへ行く用事がありました。

 JRなら「三ノ宮」、阪急、阪神なら「神戸三宮」。



 Yahoo!路線は本当に便利ですが、駅名がヒットしない時は「融通が効かないな」と文句を言ってしまいます。

 無料にも関わらず。

 マルコは「何故こんな狭いエリアに3つも路線があるのか、外国人には分かり難い」と言っていました。
 
 ポートライナーは「三宮」から乗車ですが、ついでに神戸空港ものぞいて来ました。



 西を見れば、右手に和田岬、先には明石大橋。

 中学・高校の頃、和田防波堤まで渡してもらい、よくチヌを釣りに来たものです。その頃は明石大橋も、神戸空港もありませんでした。



 滑走路を見ると、なぜかカンボジアの空港を思い出しました。

 前回海外に出たのは、2012年のイタリア・スペイン行き。長らく海外に出ていないなと、旅情を駆り立てられます。

 年末、今週と、そのイタリアからセイコ一家が泊まりに来ていました。



 ミラノでは、妻と子供が1週間世話になりました。

 セイコは、妻の昔からの友人で、3人の子供も、小さい頃から知っています。皆、本当に大きくなりました。

 セイコは、11月の日記にコメントを寄せてくれました。

 「誰かに理想の結婚相手とは?と、聞かれたら、伴侶の友人を大切にできる人と答えるようにしているのは、守谷さんを見ているからです。」

 勿論、私が理想の結婚相手という事はありませんが、妻の友人は大切にしているつもりです。

 妻が友人と一緒になって、私の悪口を言い出したら、際限ないだろうからです。

 半分は冗談ですが、パートナー、友人は自分で選べます。しかし、その友人、知人は自分で選べるものではありません。

 自然と、和を探します。

 人は自由です。にも関わらず、ある程度の制限があった方が、幸せを見つけ易いものです。

 無人島で、たった一人。一生遊んで暮らせると分かって、心から幸せを感じる人はいないだろうからです。



 元旦に、大学時代の後輩から「甥っ子に話をしてやって貰えませんか」と連絡がありました。

 建築関係に進みたいそうで、早速、3日に会うことにしました。

 おそらく「為になるから」と言ったはずで、私にとって、多少ハードルの高い会食です。それ故、遣り甲斐のある役回りでもあります。

 彼は23歳。まっすぐな青年でした。少しでも、響く言葉があれば良かったのですが。

 その席で後輩は「今年で後厄が終わるので、門戸厄神にお札を返してきました」と言いました。

 「安心するのはまだ早い。節分が終わるまでが厄だから」と意地の悪いことを言っておきました。

 厄≒役

 41、2歳というのは、社会での役割が変わる頃です。用心するに越したことはありません。

 夫、父、叔父、課長、先輩……

 多少不自由そうに見える役割が増えるごとに、自分は鍛えられ、人生はより豊かなものになって行きます。

 そうでなくても、そう思い込む。

 節分まで、あと僅か。後輩よ慎重にな。

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日に新た‐1234‐

2016年1月4日

日に新た‐1234‐


 新年、明けましておめでとうございます。

 昨日、初詣にいくと、額にコツンと何かが当たりました。見上げると、ドングリだったよう。

 縁起をかつぐのが日本人。良い年になりそう。



 31日から2日にかけて、父、弟家族と木曽福島に行っていました。

 今年は雪不足で、御岳山の麓にある開田高原まで毎日40分掛けて通いました。

 元旦は特に快晴。霊峰と呼ぶに相応しい佇まいでした。



 標高が高く、気温が低いからから、滑るには問題のない積雪量でした。

 下の娘も、更に下の姪っ子も、ボーゲンならどこでも滑るようになりました。



 雪遊びが一番楽しいのは未だ変わらずですが。




 木曽福島の山荘では義妹に何から何まで世話をして貰いました。



 子供たちも大きくなり、従兄弟同士、会う機会も限られてきます。



 レイディには、少々失礼な写真か。しかし。こんな時間がいつまで続くのかとも思います。

 長男と私はスノーボードも持って行きました。

 昨年始めたのですが、私はお尻にアオタンが出来るくらい転びました。しかし長男は、それなりに滑るように。

 我が子に負ける屈辱と、喜び。複雑な心境です。


 元旦の日没。この3日間、ほぼ快晴でした。

 2014年の9月27日の噴火があり、昨年は木曽福島行きを見合わせました。


 現在は、ゲレンデに避難用シェルターが設置されています。



 山頂部から立ち上るのは水蒸気か。全く怖さが無いと言えば嘘になります。

 しかし、地表の下には今もマグマがあり、大阪なら時速1360㎞で地球は回転しています。何が起こったとしても不思議はありません。

 今年のテーマは、本田宗一郎の言葉を使わせて貰うことにしました。

  「日に新た」

 「日々新た」ではなく「日に新た」。本田宗一郎が、どれだけ時間を大切にしていたかを感じます。

 実際、移動時間が少しでも短くなるなら、自家用ジェットやヘリコプターで向かったそうです。

 時間と言う命をどれだけ大切に出来るか。

 懸命に生きることは、生物としての義務。今日の仕事初めから、年末の仕事納めまで、全力で行きます。

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伝統がない伝統、それがホンダ‐1232‐
 昨晩は、Ohanaのクライアントから声を掛けて貰い、京橋へ。

 忘年会でした。



 その席で「日記、楽しみにしてるよ」と4人程に言って貰いました。

 何を書こうか悩むこともありますが、今年も残すところ2回。「あなたも良くなれ、私も良くなれ、みんなよくなれ」の精神で書いてみます。

 コンビニにトイレを借りようと入った際、『本田宗一郎「4つのルール」』という本が目につきました。

 自動車修理工場から身を起こし、一代で「ホンダ」を世界企業に育て上げた本田宗一郎。

 本田技研では秘書、その後は本田家の執事として。30年を共にした原田一男という方が著者です。

 本田宗一郎は1906年、明治39年生まれで、松下幸之助は1894年生まれ。1回り下の世代と言えます。

 成功は99%の失敗に支えられた1%だ

 どんなに機械が進歩しても、人間の上に君臨させてはいけない。

 この言葉だけで、その哲学を十分知ることが出来ますが、以下の話に一番惹かれました。

 ある農村の青年の集まりで講演をした時、村の青年から「アイデアはどんな時に生まれるのか」という質問がありました。

 本田宗一郎は「牛の角かどこについているか」と聞き返しました。

 頭についているのには違いないが、どこどこですと正確に言い表すことは難しく、農家育ちの青年たちも返答に困ってしまいました。

 「同じことを知人の画家に尋ねたことがある。画家は即座に『そりゃ耳の上だ』と答えた。このことは何を意味しているかと言えば、人間、ふだん自分に関係がないと思っているものに対して、正確な見方をしていない。(中略)自分には関係がないと思って見ていると、絶対にアイデアは生まれてこない。何事に対しても興味を持つことが、アイデアを生む第一歩である」

 京セラ、KDDIの創業者・稲盛和夫さんも、松下、ホンダを常に意識してきたはずです。その稲盛さんが好んで使う本田さんの逸話があります。

 会社を創業して間もない頃、ある経営セミナーで本田宗一郎の名が講師の中にありました。

 二泊三日、ある温泉旅館を借り切ってのもので、費用は数万。当日参加者は大広間で浴衣に着替えて待っていると、油の染みた作業服で本田さんは現れました。

 開口一番、こう一喝したそうです。

 「みなさんはいったいここに何をしに来たのか。経営の勉強をしたいらしいが、そんなことをする暇があったら、一刻も早く会社に帰って仕事をしなさい。温泉に入って、飲み食いしながら経営が学べるわけがない。それが証拠に、私は誰からも経営について教わっていない。そんな男でも会社が経営出来るのだから、やることは一つ。さっさと会社に戻って仕事に励みなさい。こんな高い参加料を払ってくるバカがどこにいる」

 この2つの話は、多くの部分が一致しています。人から簡単に貰える真理など無いのです。

 松下幸之助、本田宗一郎、稲盛和夫と、キラ星のごとく存在する一流の経営者。

 見聞きし、それなりに知っていることを、したり顔で話しているだけではないのか……この一年、ベストを尽くしたのか……

 浮かぶのはそんな自問ばかりです。しかし、反省に酔っていても進歩はありません。

 会社は個人のものでないという哲学から、世襲制を引いておらず、自らの姓を社名にしたことを悔いていたそうです。

 最後に。

  「よその会社のように、やれ50年とか30年の歴史と自慢するような伝統は持たせたくない。強いて伝統という言葉を使うならば、伝統がない伝統、「日に新た」という伝統を残したい。

 なぜ、今まで本田宗一郎を素通りしてきたのか。熱狂的なホンダファンが居る理由が分かりました。



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夢、プライスレス‐1231‐

 先週の日曜日、長田の家が棟上げを迎えました。



 ご家族、監督、私達での手作りの棟上式ですが、御幣は立派なもの。

 
 お子さんは長男、長女、次男の3人。

 米、塩、お神酒を一緒にまいて回りました。


 一番下のお子さんは、生後5ヵ月からの付き合いです。



 この家は、寝室前のバルコニーが広く、12畳強ありますが庇を深くしています。 

 寝室内にも、簡易な物干金物がついており、気持ちよく洗濯物が干せるはずです。



 まだ防水工事前で、ブルーシートに覆われてますが、次男君も一緒に走り回っていました。

 この洗濯干場。住宅の設計において、テーマになることがしばしばです。



「四丁目の家」はそれがメインテーマでした。


「遠里小野の家」は奥さんがひどい花粉症で、物干部屋を設けました。



 この大きなバルコニーは片側の壁が、斜めに下りてきます。

 道路側からの視線を切り、出来るだけ光を取り込む為のものなのです。

 オリンピックのエンブレム問題、新国立競技場のコンペの一件もあり、デザインという言葉が、良い意味で使われていないことが多々あります。

 色々なものが100円で買える時代がやってきました。それは、努力の積み重ねによって実現されたはずで、皆が喜んでいます。

 しかし、人類の歴史において、異常な事態なのではとも思います。ものに愛情を注ぐのがともて難しくなる気がするのです。

 もの創りは、尊い行為だと思っています。そこに「意」を注ぐのが、デザインという行為です。それは勿論、洗濯物干し場にも。

 さて、上手く乾いてくれれば良いのですが。

文責:守谷 昌紀


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夢、プライスレス‐1231‐


 「城の崎にて」は、志賀直哉。

 「暗夜行路」と共に 読んだのは中学生の頃だったか。残念ながら、内容は忘れてしまいました。



 久しぶりに温泉でもと、城崎を訪ねました。



 昨日は雨でしたが、出来れば雪景色を見たかったものです。

 やはり、古湯には古湯の情緒があります。



 温泉目的では子供が喜ばず、メインは城崎マリンワールド。



 人出が少なかったこともありますが、距離の近い水族館でした。

 海岸沿いに建ち、ロケーションは最高です。ショーの行われるプールの後ろに、何もなければ尚良いと思うのは職業柄か。



 他にも、なかなか好感のもてる水族館でした。



 魚のエサやりも、距離が近い。

 というか、手をかまれています。



 ペンギンの散歩も一緒に散歩。



 一番喜んでいたのが、アジの釣り堀。

 いつも自然の中へ連れて行っているのに、ここで釣らなくてもいいだろうと主張したのですが、結局やるはめに。

 1竿650円で、糸が切れるまで。徐々に糸が溶けていくようです。



 で、釣ったすぐそばで、1匹50円で揚げてくれるのです。



 魚が苦手の長男も、喜んで食べたので、それはそれで良かったのか。

 イケスの中には、もの凄い数のアジが泳いでおり、誰が釣っても釣れます。

 私からすると面白くないが、子供にとっては面白い。この違いはどこから来るのか。

 安楽は充実を生まないという鉄則があります。

 子供は、あれだけ居ても釣れるという確信が無いのかもしれません。そう考えると成功体験が、充実のハードルを上げていくのでしょう。

 長男が「サンタは母さんなのか」と言い出しました。また、この日記を学校のパソコンクラブとやらで読んでいる時もあります。

 成長するにつれ、夢を簡単に与えることが出来なくなって行きます。そもそも夢など与えて来たのか……

 「お金では買えない価値がある」というCMがありました。夢だけは、買い与えたり、他人が押しつけることが出来ません。

 自らが夢と希望をもち、子供に、社員に夢を持って貰えるような大人でありたい。

 そんな事を思い、願う、クリスマスイブの夜。


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株式会社一級建築士事務所アトリエm

プロフィール

株式会社一級建築士事務所アトリエm

夢は必ず実現する、してみせる。

一級建築士  守谷 昌紀 (モリタニ マサキ) 1970年 大阪市平野区生れ 1989年 私立高槻高校卒業 1994年 近畿大学理工学部建築学科卒業 1996年 設計事務所勤務後 アトリエmを設立 2015年 株式会...

株式会社一級建築士事務所アトリエmの事例

  • 加美の家

    加美の家

  • イタウバハウス

    イタウバハウス

  • サロンのある家

    サロンのある家

  • あちこちでお茶できる家

    あちこちでお茶できる家

  • 住之江の元長屋改修 『大改造!!劇的ビフォーアフター』放映

    住之江の元長屋改修 『大改造!!劇的ビフォーアフター』放映

  • kayashima photo studio Ohana

    kayashima photo studio Ohana

  • つるみ歯科クリニック

    つるみ歯科クリニック

  • ウンテイのある家

    ウンテイのある家

  • 高窓と中庭の家

    高窓と中庭の家